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習作

昼休み。
日課となっている煙草を吸いに屋上まで出た。
生徒会長になってからというもの、なかなか授業をサボるわけにはいかず煙草が吸えない。この点だけはどうにかならないものかといつも思う。
屋上は基本的に出入り禁止になっているので、人はいない。
もちろん鍵はかかっているわけだが、職権乱用という奴で鍵をコピってある。
ま、この手を教えてくれたのは奴なわけだが。
屋上は広くて開放感がある、が今日は残念なことに風が強すぎる。まあ仕方ない。
たまに見回りが来るので、給水塔の上に上がった。これでぱっと見ドアからは見えなくなる。誰か来たらその時点で消せばいい。
とりあえず一服…と、煙草を取り出そうとした途端、屋上入り口ががたん!と派手な音を立てた。
まじか…。
思わず舌打ちしつつ様子を伺うと、ブレザーを着た人間が二人。男子か…と…あれ古泉か?なにやらもう一人がわめいてるようだが、風が 強いせいでよく聞こえん。短髪のほうにも見覚えがある。確か古泉が彼と呼ぶ、通称「鍵」が、古泉に掴み掛かるのが見えた。
こーれーは、加勢すべきか?あーでもだるい。あいつらならばれてもいいし、とりあえず…と中断していた煙草に手を伸ばした。
火をつけて一服。あーやっとありつけた。あと放課後まで吸えないからな。
何かあっても古泉はそれなりに鍛えてるらしいから負けはせんだろうし「鍵」にケガさせるとも思えん。まあ平気だろ、と傍観を決め込む。
しばらく話し込むような様子だったが、いきなり奴が古泉を引き倒した。うわ、油断しすぎだろ。いくら素人相手でもマウント取られると きついぞ、拳ってのは振り下ろすときが一番強いわけで。まあおもいっきりボコられるようなら助けるか…悪いな古泉、貴重な喫煙タイムなんだ。
しかし、俺の予想は裏切られた。
二人の体がぴったりと重なる。それは、まるでキスをしてるように見えた。というか、そのものだろう。って、おい!
奴、ホモか!?てかなんでされるがままなんだ古泉!まさかおまえもホモなのか!?
思わず身を乗り出していたのが敗因だった。
奴の重なっていた頭が少しずれて、古泉の首筋に顔をうずめる。と、古泉の眇めた目と視線があった。古泉の目が、ここからでもはっきりわかるくらい大きく見開かれる。
 珍しく逡巡するように視線をさまよわせてから、すっと手を上げた。奴に気がつかれないように、指先を口元に押し当てる。秘密ですよ、とでも言いたげに。その仕草が男とは思えないほど艶っぽくて息を飲んだ。
 予鈴が聞こえてくる。
 奴が立ち上がり、古泉の先に立って扉をくぐる。
 古泉が去り際、こちらを振り返り小さく手をあげるのを見送って、詰めていた息を吐いた。
 いつの間にか、煙草の火が消えていた。





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