2ntブログ

プロフィール

あくあasえもと

Author:あくあasえもと
2/22生 東京在住
 
リンクは張るも剥がすもご自由に
ご一報いただけると嬉しいです!



倉庫(仮)

☆Pixiv☆
http://pixiv.me/emotokei(WJ、アニメ系)
http://pixiv.me/aquamilei(他、色々)

☆Twitter
emotokei
フォローお気軽に

☆skype
aquamilei
登録はお気軽に

☆mail
aquamilei@bf7.so-net.ne.jp


アンソロ・ゲストの執筆依頼は
とてもありがたいのですが
お受けできない場合があります
申し訳ありませんがご了承下さい

カテゴリー

ブログ内検索

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Do you bet? おまけテキスト

性転換ハル部前提 会長♀+部長♀
Do you bet?ネタばれあり
イベント用ペーパーの再録 学食へ移動中。
「髪型変えてるけど」
「え……あ、うん……」
目端の利く同級生に声をかけられて、ぎくっとした。いや、何がどうってわけじゃないんだけど、なんとなく何か見透かされたような気分になって。
そんなわたしに彼女は訝しげな表情を見せながら、更に問いを重ねる。
「そういうの珍しいけど、何かあった?」
「う……」
あった。ものすごく意味不明で現実味ないことが。でもなんか痛いし、あんな夢見るとも思えないし、本当にあったことだろうとは思うんだけど。
長い付き合いの親友に隠し事なんかしたくないけど、なんて説明したらいいのかわからない。
「……まあ、ちょっと」
「ふうん」
やる気のなさそうな相槌を打つと、彼女はこちらに向けていた端整な顔を正面に戻した。その動きに合わせてさらりと髪が流れる。
色素の薄いわたしの髪と違って、彼女のそれは漆黒でつややかでまっすぐだ。ほっておくとすぐにふわふわと広がってしまう上自分の髪にコンプレックスを抱いているわたしからすると羨ましい限りだけど、彼女はむしろわたしの髪の方が軽く見えるし纏めやすくて羨ましいと言う。隣の芝生って青いよね。
まあわたしが羨ましいのは髪だけじゃないんだけど……背が高くてすらっとしているところとか、すっきりした一重の切れ長の目とか、細面で日本人形みたいに繊細な顔立ちとか、きんきん耳障りしない声とか、見た目だけでもキリがない。
中身も少し羨ましい。人前でみせる完璧な猫のかぶり方は見習いたいくらいだ。あまりにそつがなさすぎて、彼女は生徒会長なんてものにいつの間にかなっていた。そしてますます猫かぶりに磨きがかかっている。どこからどう見ても優等生なお嬢様、という風情なのに、実は口が悪くてすごく意地悪だなんて誰が信じるだろう。その上ヘビースモーカーでお酒も飲むなんて、ほんと詐欺だといつも思う。
「別になんでも全部話せとは言わないけど」
そんな彼女がぽつんと独り言のように呟く。
「何か困ったことがあるんなら言うこと」
……普段はとても意地悪なのに。
たまに、本当にわたしが困ったり悩んだりしているときだけはひどく優しい。そういうところが、かなわないなあと思う。
「えっとね、困ってるわけじゃないんだよ」
「ふうん」
「あのね、涼宮くんと付き合うことになった」
「……は?」
ぴたっと足を止めて、呆気に取られている彼女を見て、まあそうだよなあと思う。自分でも信じられないし。
「今、なんて言った」
「え? だから、涼宮くんと付き合うよって」
いきなり固くなった声に、少しだけ怯んだ。え? なんで? もしかして好きだったとか? いや、それは絶対ない。嫌いっていうんならありえるけど、多分二人は水と油だ。
「……やめたほうがいいと思うけど」
若干歯切れ悪く言葉を紡ぐ様子はいつもの意地悪には思えない。ちゃんとわたしを心配している響きが感じ取れた。
「なんで?」
「ああいうタイプは絶対手ぇ早い」
「う……」
さ、さすがだ。
きっぱり言い切られた言葉は身に覚えがありすぎて、思わず言葉に詰まった。それを見た彼女が眼鏡をかけなおすと、レンズに蛍光灯の光が反射して表情が見えなくなる。
「ええと、その、あの、確かに……手は、ものすごく早かった、けど」
「ふうん?」
「で、でもっ、した後の方が優しかったよ!」
「……お前バカだろ」



後日。
「面白いから読むといい」と珍しく渡された漫画のタイトルは『だめ〇ずうぉーかー』とかいうやつだった……。


<< ひだまり | ホーム | Do you bet? >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP