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あたらしいせいかつ 3

会部




 無視を決め込むはずだった、のに。
 席は僕の前だし、掃除当番は一緒だし、日直組む相手だし、体育でも組まなきゃいけないし、なんかよく話しかけてくるし。
 いつの間にか、クラスの中で僕と彼が仲が良いと、みんな疑わない状態になっていた。最悪すぎる。
「ありえない……」
 ぽつりと漏らした僕に、隣に座った彼が箸を動かしながらちらりと目線を向けてくる。こんな状況が、そもそもおかしい。
「なんでキミと昼食を取らなきゃいけないんだ」
「俺もお前も学食組だからだろ」
「そうじゃなくてっ」
 なんでこう、お互い日本語をしゃべっているはずなのにまったく噛みあわないんだろうか。小声でやり取りしていると段々イライラしてくる気がする。
「席なら他にもあるのになんでわざわざそこに座るんだよ」
 ちなみに僕たちが陣取っているのは、入り口からもカウンターからも一番遠い窓際の席で、滅多に人の来ない辺りだ。僕は割と食べるのが遅いし、周りの回転が速いとなんか気が削がれるからここにいるんだけど、彼は別に理由があるとは思えない。
秀麗と呼ぶには険のある整った顔立ちが、意地の悪い笑みを浮かべた。その顔を写真に撮って、掲示板にでも貼り付けてやりたい。
「色々と都合がいいんでな」
「都合って……なんだよ?」
「お前が知る必要はない」
 またそのセリフか。聞き飽きた。
 なんとなく気持ちがささくれ立ってくるのは、僕が狭量なわけでは断じてない、と思う。
「別にいいけどさ」
「お前みたいに能天気な優等生とつるんでるように見えりゃ、いいカモフラージュになるんだよ。イメージ作りってもんは、割と重要なんだぜ」
 別にいいってこっちが言った瞬間、滔々と並べ立てはじめるのはなんでなのかな。そしてその発言の内容を鑑みると、僕を怒らせようと挑発していると考えていいんだよね?
 誰に言っても、会長がこんな奴だなんて信じてもらえない状況には段々慣れてきた。僕と二人の時や、周りに人がいないとき以外は、完璧なまでに『生徒会長』だからね。イメージ作りが大事。身に沁みてるよ。
 ムカムカしながら取ったその日の昼食は、味なんかろくにせずおいしいとはとてもじゃないけどいえなかった。
ちくしょう。ほんと、ありえない。
 

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