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あたらしいせいかつ 2

会部




「なっ」
 なんでキミがこんなところにいるんだ!
 思わず叫んでしまいそうになって、慌てて堪える。大声を上げたら変に思われるだろうし。
 会長は、僕を小馬鹿にしたようにくつくつと忍び笑いをしている。ああもう、なんでそうやって人の神経を逆撫でするんだろうね、キミってやつは。
「……そんなとこで笑ってないで、さっさと自分のクラスに戻ったらどうだい?」
 もうすぐ始業式が始まる時間だ。
声をひそめて睨み付けながらそう告げると、にやりと偽悪的な笑みがその顔に浮かぶ。
「ここは9組だろう?」
「そうだけど」
「では私のクラスはここで間違いないようだ」
 その言葉の意味を咀嚼するのに、たっぷり1分は時間が要ったと思う。
「えええっ?」
「静かにしたまえ」
 結局叫んでしまった僕を嗜め、くいっとずれてもいない眼鏡を直す仕草は非常に迷惑そうにしか見えない。他人に注目された途端、見事なまでに『生徒会長』へと変わっている。おかげで周りから奇異な視線を向けられているのは僕一人だ。からかってきたのはそっちなのに。うう、納得いかない。
「どういうことだい」
 再び声をひそめて問いかける。
「色々あるんだよ、俺にはな」
意味ありげに薄く笑いながら囁かれた言葉は、多分僕にしか聞こえなかっただろう。他に人がいるところでは滅多に聞くことのない一人称は、こういう表情をしている時の彼じゃないと使われないものだ。
なんでみんなだまされてるんだろう。信じられないよ、こんな性格悪いのに。
 クラスメイト、になるのか……。
 そう思い当たって、気分がずんと落ち込んだ。教室と部室は僕の安息の地だというのに、よりにもよって僕にあんなことした奴がクラスにいるなんて……最悪じゃないか。
 しかもみんなして騙されきってるのは、ここ二ヶ月ほどの間に身に沁みている。ちょっとでも悪く言おうものなら、必ずと言っていいほどそんなことないと擁護されるし、こっちが悪者扱いだ。絶対納得いかないんだけど。
 二重人格め。
 でもまあいいさ。クラスが一緒だからって付き合わなきゃいけない道理はないもんね。無視だ無視。
 そう決め込んで、僕は彼から目をそらした。

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