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あたらしいせいかつ 1

会部 わくらば続き




 うららかな春の陽射し。
 そんな形容がぴったりくる、天気の良い春の朝に、眠い目をこすりながら僕は長い長い坂道を上がっていた。毎日毎日この坂を上がっているんだから、体育で体力づくりする必要なんて北高生にはないと思う。
 今日から新しい学年だ。とはいっても僕のクラスは理数に特化しているから、クラス替えといえるものはない。普通科から移動してくる生徒が若干名いるくらいで、雰囲気などは代わり映えしないのは、二年に進級した時に実感済みだ。
 やっとのことで校門に辿りついて、久しぶりだとやっぱりきついなあと思いつつ溜息をつく。
人の波は、張り出されているクラス表に向かっていたけれど、僕はそちらには向かわずまっすぐ始業式の執り行われる体育館を目指した。休みに入る前に教室の場所は聞いていたから。
 ああ、ねむい。
 ぽかぽか暖かい陽気に、立ったままでも眠れそうな気がしてきた。始業式だけでよかった。終わったら部室に顔を出そうかと思っていたけれど、今日はやめておこうかなあ。
 そんなことをつらつらと考えている内に、体育館についた。少し時間が早いせいか、まだまばらにしか人はいない。
「おはよう」
「あ、おはよ」
級友と挨拶を交わしつつ、クラスごとに並べられているパイプ椅子のひとつに腰を下ろす。
 途端に眠気が最高潮になった。
「ふぁ……」
 欲求に基づいてあくびをすると、ますます眠くなった。ぐぅっと身体を伸ばしてみたけどあまり変わらない。春休みの間ずっと自堕落に過ごしていたつけが回ってきたみたいだ。諦めて椅子にくたりともたれかかって目を瞑った。さすがに眠ってしまうつもりはないけど、ちょっとでも休めば違うかな、と思って。ああうん、わかってる、ただの言い訳だよ。
 春眠暁を覚えず。
 その通りだ。しょうがないよね。
 しばらくそうして目を閉じている内に、すぅっと何かに誘われるように、意識が遠のきそうになった。かくん、と頭が揺れた拍子に、誰かの肩に頬が触れる。
「ぅあ、ごめんっ」
「いや、別に」
 一気に覚醒して慌てて飛びのいた僕の目に映ったのは、見覚えのある悪辣な笑みだった。

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