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おはなみ!りべんじ!!

会部、お付き合い前提、…幼馴染?




「綺麗だねえ」
「まあな」
 暇で暇でしかたない春休みをちょっとは有意義に過ごそう、ということで映画を観てきた帰りがけ、何か食べて帰ろうという話になってその辺りを散策している最中、たまたま桜並木にぶち当たった。色の濃いヤマザクラが、通りいっぱいに並んでいる。時折花びらが風に吹かれてそよぎながら、ひらひらと散っていく。
 春だなあ。
 天気もよかったので、しぶる彼を説き伏せてコンビニにより、おにぎりやら飲み物やらを買い込んだ。そして川縁のベンチを占拠して今に至る。別に予定通りどこかに入ったってよかったんだけど、なんとなくもったいなかったからさ。
 お花見なんて久しぶりだな。
 小学校の頃は毎年なんだかんだと一回はお花見してた気がする。中学くらいからあんまり家族と行動することがなくなっていって、友達とはゲーセンとか家で遊ぶことがほとんどだったから、そういうことをする機会があまりなかった。
 ちらりと隣を見やると、若干ふてくされたような顔をした彼が、それでも文句を言わず僕に付き合ってくれていた。わがままを言った自覚はあるんだ。それを許してくれてることが嬉しくて、つい甘えすぎてしまいそうになる。よくないなあ。
 こんなことで嫌われたら、目も当てられないよ。
 そんな風にも思うけど、甘やかせてくれるのが気持ちよすぎて、もっともっととねだってしまう。
 よくないよなあ。
 そう思うんだけど、なぜかやめられないんだよね。僕の意志が弱いせいなのはわかってるけど、どうすればいいのかよくわからない。
 こういう状況、本当は嫌なんじゃないかな、って思ったことはもちろんあるけど、彼は嫌なことは嫌だと誰が相手だろうがきっぱり告げるタイプだから、それがないうちはいいかなあって……。まあ、言い訳、だけどさ。何に対してかはわからないけど、なんとなく疚しいきもちがあるのは確かだ。
 ひらひらと桜が舞い散る様は、儚げでいて、どこか楽しげだ。見てるとなんとなく気分がふわふわしてくる。
「のみたいなー」
 ぽつんと呟くと、彼があからさまに眉を顰めた。そんな顔しなくたって、いかにも未成年にしか見えない僕がこんな所で飲んだりできるわけないじゃんか。ちょっと考えればわかりそうなもんなのに。
「お前は酒癖悪いから」
 わかってるよ。どうせ駄目だって言うんだろ。
「帰ったらな」
 そう言って、滅多に見せない柔らかな微笑を浮かべると、頭をくしゃりと撫ぜられた。
 ……そういう不意打ち、やめようよ。
 熱くなった顔をうつむけて足元を見やると、ひらひらと舞い降りてきた桜の花びらが、スニーカーの上にはらりとおちていった。

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