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お花…見…?

会古、お付き合い前提


「お花見に行きませんか?」
 古泉がそんなたわけたことを抜かしたのは、事が終わって一服し、さっきまでの余韻が消えるか消えないか辺りのことだった。普段なら面倒だと即座に切り捨ててしまっただろうが、雰囲気に流されてついつい頷いてしまった。まさかそれを狙ったわけでもあるまいが。
「構わないが、どういう風の吹き回しだ?」
 古泉は、俺と張るくらい面倒なことが嫌いだ。いや、俺とは違い、嫌いというよりも苦手だと言ったほうが近いかもしれない。
 主務全般をそつなくこなすし、機関の報告書なども細々したところまできっちりまとめるから気付く人間は少ないが、そういった部分は責任感が強い性格が如実にあらわれているだけで、自ら率先して面倒なことに足を突っ込もうとはしないタイプと言える。たとえば温泉で羽根を伸ばすよりは、自宅でごろごろしていたい。そんなタイプだ。
「何の理由もなく人混みに出掛けたがるわけじゃないだろ、言ってみろ」
 俺が続けた言葉に、古泉はくすくすと楽しげに笑った。
「時々あなたには全て見透かされているような気がしますよ。お察しの通り、これは半分任務です」
 曰く、SOS団の活動の一環で花見に赴くにあたって、そのリサーチをしなければならないのだと、古泉は説明した。なるほどな。
 聞かなきゃよかった。
 軽く舌打ちすると、古泉が顔を覗き込んできた。
「どうかしましたか」
「どうもしない」
 口を開けばSOS団SOS団。お前にはそれしかないのかと言ってやりたくなるが、そんなことを口にしたら最後、こいつは何の迷いもなく眉一つ動かさず、はじめて会ったときに見せた完璧なまでの微笑みをたたえて「その通りです」と言葉を返すだろう。そんなわかりきったことに割く時間なんざ俺にはない。
苛々した気分を落ち着かせようと、サイドテーブルに置かれたジッポとタバコを引き寄せる。二本目のタバコを取り出そうとした手を、古泉の手が押しとどめた。
「なんだよ」
「苦いんですよ」
 こんな時くらいやめてください。
 そう嘯いて、ゆっくりと俺の首に両腕が絡む。。
「きっと、綺麗ですよ」
 楽しみですね、と。
 そんなこと心にも思ってないくせに、やたら綺麗な笑顔を浮かべながら、かすめるだけのキスをしてきた古泉に、そんなことを望んではいないことを知りつつ同情してしまったのは、なんでだろうな。最悪だ。

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