2ntブログ

プロフィール

あくあasえもと

Author:あくあasえもと
2/22生 東京在住
 
リンクは張るも剥がすもご自由に
ご一報いただけると嬉しいです!



倉庫(仮)

☆Pixiv☆
http://pixiv.me/emotokei(WJ、アニメ系)
http://pixiv.me/aquamilei(他、色々)

☆Twitter
emotokei
フォローお気軽に

☆skype
aquamilei
登録はお気軽に

☆mail
aquamilei@bf7.so-net.ne.jp


アンソロ・ゲストの執筆依頼は
とてもありがたいのですが
お受けできない場合があります
申し訳ありませんがご了承下さい

カテゴリー

ブログ内検索

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

エイプリルフールだというのに

テキスト無理でした、不甲斐ない




と嘘をつきつつ更新してみる
部会部なんです、幼馴染っぽい気がする!








「お前が好きだ」
「は?」
 テレビを見てたら、不意に後ろから抱きつかれて耳元で囁かれた。その言葉に、思考がカチンと固まった。
 固まったけれどすぐに復活した。
 ああ、今日、そっか。
 騙されるところだった……性質が悪すぎるよ。こういう冗談を振ってくるあたり、全然気付かれていないんだなとちょっとだけほっとしたけどさ。
 ……でも、面白くないのも確かで、からかわれるばかりじゃ嫌だったからとりあえずやり返してやろうと、僕は口を開いた。
「僕も……キミが好きだよ」
 まわされた腕に、そっと手を添えてきゅっと握る。
 さあ、ドン引いてしまえ。
 そしたら盛大に笑い飛ばしてあげよう。

 そう、思ったのに。

「う、わあっ」
 思わず叫んで、腕を振り払った。
「なんで逃げるんだよ」
 振り返ると、若干不機嫌そうな彼がこちらを睨み付けている。
「い、いくらなんでも、あんなことするなんて卑怯だっ」
 からかうにしたって、程があるだろう。
 頬とはいえ……あああああっだめだ、考えるな! 思い出すとやばい!!
 顔が熱い。体も熱い。体温があがりすぎて、もうなんか駄目だ。どうしようもなく駄目だ。
「お前も俺のこと好きだって言っただろうが」
「言ったけどっ」
「けどなんだよ」
「なんだよって……」
 ああもういったい何なんだ。嘘のくせにっ。
 そう考えたら、一気に感情が高ぶった。
 ばれてるのか? ばれてたのか? どちらにしても、こんなのひどいよ。
 じんわり目頭の奥が熱くなってくる。
「からかうんだったら、もうちょっと他にあるだろっ!」
「何の話だ」
「へ……?」 
 彼の返事に気勢が削がれた。その隙を逃すまいとするように、手首を引っ掴んで引き寄せられる。
「え、と、あの……」
 与えられる情報量の多さに頭がパンクしそうだ。これはいったい何なんだろう。
「好きだ」
「それ……嘘じゃんか。ちょっとしつこくないか?」
「なんで嘘ってことになってんだよ、わけわかんねえ」
「え、だって、今日エイプリルフールだし」
 僕が口にした言葉に、彼が一瞬瞠目した。そして、非常に珍しいことに、あからさまに失敗したと言いたげな表情を見せた。微かに目元が赤い。
「あー、忘れてた、そんなもんもあったな。じゃあさっきのお前の返事はネタに乗ったってだけか」
 頭を抱えながら、ごろんと横に転がった彼を見て、僕はどうしたらいいのかまったくわからず動けずにいた。
「悪い。すげえ勘違いしてた」
 ちくしょう、と低く呟いて、彼は顔を俯けたままこちらに視線を向けない。
 ……ええと、なんかよくわからない、けど。
 もしかして、もしかすると、そういうことなのか?
 意を決して、彼の顔を隠している袖をくいくいと引っ張った。
「なんだよ」
「僕を引っ掛けようとしたんじゃないんだ?」
「…………」
 沈黙が答えだと判断して。

 僕はそっとさっきの彼の真似をした。

<< お花…見…? | ホーム | Clumsiness >>


コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 BLOG TOP