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節分

会部、です、が、色々注意

幼馴染設定です、部長氏がひどいことになってます
いつものうちのこだと思ってるとキャラ崩壊に耐えられません
とりあえず私の腹筋が崩壊しました、真夜中大爆笑しすぎた…



「かったりぃ」
「だから来なくていいよって言ったじゃないか」
「うるせえな」
 二月に入って、学校へ行く回数がめっきり減った。推薦組の僕らは受験勉強に悩まされる事もなく、適当にその時間は遊んだりバイトしたり、それなりに忙しく過ごしている。
「なんで人混み苦手なくせにわざわざ来るかなあ」
 PCを一台新しく組もうとパーツを漁る計画を立てていた僕は、そういえば節分だから芸舞妓さんとか来るんだっけ、と思い当たって、生田神社まで足を延ばすことにした。時折連絡も寄越さずふらっと訪れる彼に、そんなわけで三日はいないからとメールを送ったところ、帰ってきた返事は予想に反して「俺も行く」というものだった。
 絶対に君は退屈するし、すごく混むよ? と言ってはみたけど彼は聞かず、うん、まあ、一緒にきたはいいんだけど、やっぱりこういうことになるんだ。別にいいけど少しは学習したらどうなんだい、そこそこ頭がいいはずなのに、とてもそうとは思えないよ。
 舞妓さんはすごく可愛かったし、見たことのある芸能人なんかもいて、僕はそこそこ楽しかったけど、隣で仏頂面されてたら楽しい気持ちも減る。というか、減った!
 まあ、なんだかんだ言いつつ荷物持ってくれたのはありがたいけどさ、送料浮いたし。
 PCケースとファンだけでも結構な重さになるそれを、いとも軽々と持って歩く姿に、同じ男としてコンプレックスを刺激されないわけじゃないけど、そんなのもとっくに慣れちゃったよ。長い付き合いだからね。
「ああもう、しょうがないなっ」
 大袈裟に溜息をついてみせる僕に、ちらりと億劫そうに視線だけ寄越してくる。
「今日中に組んじゃうつもりだったけど、今日はこの後君に付き合うよ。君の好きなとこ行こう。運んでくれたお礼に夕飯奢ってもいいし。どうだい?」
思ったよりメモリが安かったから予算が少し余っているし、どうせ外で食べようかなと思ってたのもあって、僕のベッドを占拠して寝っ転がっている彼の隣に座ってそう告げる。ベッドがぎしぎしと嫌な音を立てたけど、これくらいじゃ壊れないのは実証済みだ。
「んー……」
 僅かに身を起こすと、最近では珍しく下ろした髪がさらりと揺れる。こっちのほうがいいと思うんだけど、いくらそう言っても学校ではきっちりセットしている。学校でたまにすれ違うと、年より随分大人びた感じに見えて、知らない人間みたいな気がしてくるから、あまり好きじゃない。似合うとは、思うんだけどさ。
「外、出たいのか?」
「え、違うけど」
「じゃあここにいようぜ」
 そう言って、腕を取られた。
「う、わっ」
 体を巻き込むように引き倒されて、くるりと視界が反転する。一瞬で体勢が逆転するその早業に、僕はもう一度溜息をついた。
 このまま、またなしくずしでやるのかなあ。
 いや、ええと、別にそれがどうしても嫌だってわけじゃないんだけどさ。
 そこまで考えたところで、自分の思考の恥ずかしさに死にたくなった。あー、なんだかなあ、もう。
「……お前、体温高いよな」
「ひぁっ」
 耳元で低い声に囁かれ、背筋がぞくっとする。変な声、出た。うう、ちくしょう。
 体のこわばりを解くように、こめかみや頬に軽く触れるだけのキスが繰り返されて、その微かな動きにさえ反応する正直すぎる自分の体を心底恨めしく思う。
逆に、彼はそれ以上のことを仕掛けようとはせず、ゆったり構えている。
こんなんじゃ、僕の方がほしがってるみたいじゃないか。
 その考えが、思いのほか自分自身の図星をついていることに気付いて、かあぁっと顔が熱くなった。
「どうした?」
「なんでもないっ」
「なんでもないって顔じゃねえぞ」
 ああ、そうだろうともっ、僕は君と違ってすぐ顔に出ちゃう性質だからね! 原因が飄々としてるのがすごくむかつく……くそぅ。
「んな顔してると襲うぞ」
「襲えよっ」
 ぽかんとした彼の顔を見た瞬間、何てことを口走ってしまったのかと慌てたけど、一度口から出た言葉は取り消すことはできない。いっそ開き直ってしまえと決めたら、若干気持ちが落ち着いた。
するりと彼の首に腕を回す。
「ここでやめたら追い出して豆撒いてやる」
「……それ、塩じゃないのか」
「うるさいなあっ」
 ぐっと引き寄せて、四の五のいう口を塞いでやった。

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