A5 P32 400円 20100502発行
生徒会長×コンピ研部長 R18
表紙:
ゼロコ様強要、脅迫、強姦描写あり
バッドエンドですのでご注意ください
「あー……ねむい」
窓からふわりと流れ込んでくる暖かな春の陽気に眠気を誘われる。
もう夕方だけど外はまだ明るくて、その明るさがそろそろ春が終わるのだと告げていた。
まだ夏には遠いけれど、だんだん日が高くなっている。
作業の手はどうしたって止まりがちで、効率がいいとはとてもじゃないけど言えない。それでも少しずつでも進めておけば後で楽なのだと経験則で知っていた。
部員たちは既に帰宅している。みんなこの時期は忙しいみたいだ。
元々各自で適当にやりたいことをやってる部活だから、あまり気にも留めない。
なんだかんだ言ってちゃんと活動しているのは文化祭の時期くらいなのだ。
僕はどうせ家に帰っても暇だし、今は特にバイトなんかもしてないし、自宅のパソコンにはインストールしてないソフトが使いたかったのもあって、ひとり居残り作業をしていた。
だけどまあ、さすがにそろそろ帰るかなあ。
うーん、と座ったままで背伸びをすると、固まりかけた肩周りがきしんで音を立てた。
腰の辺りも鈍く響くような痛みを訴えていて、作業に没頭しすぎたかな、なんてぼんやり思う。
時計に目をやると、もうすぐ六時になるところだった。
今日は食材を買い込みにスーパーへ行きたかったし、頃合だろうとパソコンの電源を落とそうとしたところに、突然ノックの音が聞こえた。
コンコンコン。
等間隔に正確なリズムを刻む音が、僕しかいない室内に不釣り合いなほど大きく響く。
誰だろう?
誰かに用があったり、パソコン関連のことで尋ねてくる人は多くないが決して珍しいことじゃない。
だけどわざわざノックをしてくるような人物に覚えはなかった。
「どうぞ、あいてるよ」
ひとまずそう声をかけると、時を置かず傾いだ音を立ててドアが開いた。
そこにいたのは──生徒会長、だった。
いったい何の用だろう?
思わず身構えてしまったことに理由はない。
強いて言えば、僕が彼を苦手だというそれだけだ。
ほとんど話をしたこともないのに苦手というのも変な話かもしれないけど、威圧感のある見た目や、居丈高な態度を見るだに、きっと仲良くはなれないだろうと僕の本能が告げていた。
本人はいたって真面目そうな人物だから、我ながら失礼だとは思うんだけど……苦手なものは苦手なんだから仕方ないよね。
その本能的な何かに従い、今までできるだけ避けていたというのに、何故彼がここにいるんだろうか?
「入っていいかね?」
高校生とはとても思えないほど低い、重厚とさえいえそうな声音が耳朶を打つ。聞く者全てを無理やりにでも従わせてしまいそうな声に、我知らずの内に身体が竦んでしまいそうだ。
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