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-273℃さま、100万ヒットおめでとうございます!
これからも萌えるオハナシをたくさん読ませてください!

というわけで拙いですが捧げもの、会部

希少価値の高い会部というお願いだったのに低そうで残念
精一杯頑張ったのになんだか空回りしていてアレですが
少しでもいただいた萌がお返しできてますように




「百万あったら、何に使う?」

 そんなことを口にしたのは、なんとなく浮かれていたからかもしれない。
『機関』と契約して三ヶ月、最初は眉唾だと思っていたが、必要経費とは別の支給になっている俺のバイト代は、遣うのがおっつかない程に着々と預金残高を増やしてくれていた。高校生じゃ日がな一日費やしても稼げない金額は、俺という存在の有用性の証にも思えて小気味いい。
「百万……?」
「まあ、例えばの話だ」
「うーん」
 真剣に思い悩む間抜けな面を眺めて、平和な奴だよな、と思う。すぐそこで世界が滅ぶだの存続のための使命だの、カルト教団紛いのことをしでかしている奴がいるとはきっと夢にも思うまい。俺だって古泉の奴にスカウト(とでもいうのか?)されるまでは、そんなこと考えもしなかった。
「百万ってさー、中途半端だよね」
「ほう?」
「新しいパソコン組んで、残りは貯金かなー」
 なんとも現実的な答えに、くくっと笑みを漏らせば、バカはむっとしてこっちを睨み付けてきた。
「キミだったら何に使うって言うんだよ」
「そうだなあ……一晩で使い切ってみるとか」
「はあ? 何言ってるんだよ、そんなことしても何も残らないじゃないか」
「どうせ手元に残せるもんなんて限られてるんだよ。欲張ったって仕方ないだろ」
 結局のところあぶく銭だ。すっぱり気持ちよく使っちまったほうが後腐れなくていい。
「ふうん……そういうものかなあ。僕にはさっぱりわからないけど」
 可愛くない言い方が癪に障った。
「でも、一晩で使い切るってどうやって? お酒とか?」
「そうだなぁ……」
「うわっ」
 ぐいっと肩口を掴んで引いたら、すっかり油断しきっていたそいつは俺の腕に転がり込んできた。すっぽりおさまる男にしては華奢な身体が、羞恥のためかどんどん熱くなっていくのを感じる。
「な、何を……!」
「お前でも買ってみるか」
 にやりと笑ってそう嘯けば、そいつの顔が面白いほど赤く染まった。

 それだったら、別に残してみてもいいと思った。ただそれだけの話だ。

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