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あたらしいせいかつ 19

会部




 低く聞き取りやすい声で耳元に吹き込まれたセリフに、背筋がざわりとざわめいた。
「……何がしたいって言うんだ、キミは」
「そんなに警戒するほど大したことじゃねえよ」
 掴まれた腕をぐっと引き寄せられた。彼の顔がアップで大写しになる。
 またキスされるのか……?
 一瞬身構えて、ぎゅっと目を瞑ってしまった。……既に気持ちが怯んでしまっている。よくない兆候だ。
 そんな僕の様子を楽しむように、彼はくすくす笑いながらとんでもない言葉を囁いた。
「俺にお前を明け渡せ。そうしたら予算だけじゃなく色々と便宜を図ってやってもいい」
「……は?」
 思わず間抜けた声が出てしまったのは、仕方がないと思う。何しろ僕には彼の言葉の意味するところがまったくわからなかった。それこそ異国の言葉でも聞いてるかのように、内容が頭に留まらず右から左へするすると流れていく。
「あの、意味がわからないんだけど」
「鈍いな。そういうところも嫌いじゃないが」
 くくっと含み笑いをしながら、彼は僕のシャツのボタンに手をかけた。
「うわっ、何するんだ!」
 僕の叫びにも似た問い掛けへの返事はない。シャツのボタンを外されるに到って、やっとさきほどの言葉の意味がそういうもの、だと気がついた。
まさか、そんな……。
自分の杞憂だと信じようとして失敗をしながら、ひとまず器用に動く手を必死で押しとどめた。
「なんだ?」
「こんなの、おかしい」
「ふん?」
「き、キミだったらいくらでも女の子選り取り見取りだろ! それともホモだったとでも言うのかい? でも、男だってキミなら選び放題じゃないか、なんでよりにもよって僕なんだっ」
「確かにそうだが」
 あっさりと僕の言葉を肯定してた彼は、手の動きを止めようとはしない。
「女は色々面倒だ」
 だからって、なんで僕!?
「ひ、人をなんだと思ってるんだ!?」
「なんだろうな」
 にやにやと悪辣な笑みを浮かべる彼を見て、血の気がざーっと引いていった。

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