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あたらしいせいかつ 5

会部 部→喜?w




 こんこん。
 ドアをノックする無機質な音が響く。
 もう他の部員は帰ってしまった後だ。僕もそろそろ帰り支度をはじめていた。こんな時間にいったい誰だろうと訝しみつつ「どうぞ」と声をかけると、ドアが緩やかに開かれた。
「こんにちは」
「キミは……?」
 現れたのは、穏やかな微笑を称えた美少女だった。ふわふわしたウェーブの髪が印象的だ。
「こちらはコンピュータ研究部でよろしいですか」
 まるで丹精込めて作られた砂糖菓子のような甘い柔らかい声だ。顔だけじゃなくて声までかわいい。作り物なんじゃないかと思うくらいかわいい。
 そこまで考えて、作り物だなんて女性に対して失礼すぎると慌ててその考えを打ち消した。
「生徒会の書記をしております、喜緑江美里と申します。先日申請していただいた補助予算について稟議がおりましたので、そのお知らせにまいりました」
「あ、そうなんだ。わざわざありがとう」
「いいえ」
彼女はとても雰囲気のいい笑顔を浮かべて、言葉を続ける。
「手続きについてなのですが、いつでも構いませんのでこの書類に記入して生徒会室までお持ちください。通常、提出後二週間以内に決済されます。試験期間中はその限りではありません。よろしくお願いします」
 てきぱきとした、けれど決して事務的ではなくむしろ親身になってくれてるような印象が、とても好ましいと感じる。その優しげな笑顔のせいなのだろうか。
 この子と彼が同じ生徒会の人間という括りなのが、なんだか腑に落ちない気分だけど。
「助かったよ。本当にありがとう」
「ふふっ、申請がおりてよかったですね。ではわたしはこれで失礼します」
 そう言って、彼女はふわふわした足取りで立ち去った。
 癒し系ってああいうのを言うんだろうなあ。
 渡された用紙を確認する。記載項目は、部活動の名称、責任者氏名、申請理由、顧問氏名、あとは記入した日付、そんなところか。
これくらいなら先に書いておいたほうがいいかな。
そう思って筆記用具を取り出し、空欄を埋めていく。面倒だと思わないわけじゃないけど、少しでも早く予算が下りれば後が楽だし、後回しにするとうっかり忘れそうだし。
 そんなことを考えつつ、記入を終えた僕は、筆記用具と申請用紙を鞄にしまって部室を後にした。

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