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好きだなんていってない

古→キョン(雪山)

■注意■
まったく推敲してません
読みにくいと思われます



ドアを閉めて一人になった瞬間、どっと疲れが襲ってきた。倒れこむようにベッドに横になる。
とんだ失態だ。
予測はできた。それだけの情報は揃えていたはずだ。なのに何故油断したのか。
涼宮さんを守りきれるか?何の力も後ろ盾もない今現在の自分に。朝比奈さん、長門さん、そして…彼を、助けられるのか?
「…っ」
このままの日々が続けばいいと考え、挙句の果てに続くはずだと慢心した。彼らと過ごす毎日を任務と割り切れなくなったのはいつからだったろう。あらゆる意味での罪を犯してきた自分の甘さに愕然とする。
…だめだ。ショックを受けている場合じゃない。冷静になれ。
深く息を吸って、細く長く吐く。
やり方は知っているはずだ。今すべきことを考えろ。自分自身に対する過大評価は厳禁、でも過小評価は許されない。自分の能力を見誤るな。いつだってそうしてきただろう?
とりあえず、無理やりにでも眠るべきか。疲れた頭では何も浮かばない。頭が冴えてはいるが、横になって目を閉じるだけでも回復の度合いは違う。身をもって学んできたことだ。
なるべく何も考えないように努めている間にどうやらうとうとしていたらしい。何故かというと、
「古泉」
いきなり名前を呼ばれ、思わず飛び上がりそうになったからだ。
ドアの開け閉めする音も、人がそばにいる気配も感じていなかった。自分では意識がはっきりしていたように考えていたのもあって僕は驚き、ベッド脇に座している人影を見て息を呑んだ。
「なんて顔してるんだよ。大丈夫か? 声かけたけど返事なかったから…」
起こして悪かったな。とぶっきらぼうに謝罪の言葉を紡ぐのは、彼だった。電気を消していたせいでカーテン越しの薄明かりだが、見間違えるはずもない。ましてこんな至近距離であれば尚更。
「ええと…どうされましたか?」
「お前が言ったんだろう。できるだけかたまれって」
「あ、ああ…なるほど、そうですね」
合点がいった。取り急ぎ外れてた笑顔を貼り付ける。
「電気をつけましょうか」
「いや、いい。もう寝ようぜ」
もぞ…と布団に潜り込んでくる彼に心臓が跳ねる。ベッドは一つしかないし、この部屋に他に家具と呼べるものはないのだから、一緒に寝るのは必然だ。鼓動が早くなるほうがおかしい。そう、おかしい。それはとうに気がついていて、目をそらしてきた事実だ。
僕は彼に惹かれている。
気付かれないようそっと溜息をついて、自分も改めて横になった。眠れる自信はないが、とりあえず目を瞑っておこう。
しばらく経ってから、彼が口を開いた。
「…なあ、古泉。起きてるか?」
「ええ」
「俺たち、どうなるんだ」
「…すみません、僕にはお答えすることができません」
長門さんにすら不可解な現象を打破する術は僕にはない。僕が不安なくらいだ。一般人である彼の気持ちを慮るとなんとも言えない気分になる。
不意にベッドがきしきしと傾いだ。目をあけると、彼が体を起こしてこちらを見ている。
「さっき、言わなかったことがあるんだ」
「…なんでしょう?」
「別にたいしたことじゃないんだが」
珍しく歯切れの悪い言葉に、ああ、この状況がやはり彼にとって厳しいものなのかとぼんやり思う。目線を合わせるために少し体を起こして笑みを浮かべた。
「どうぞ、続きを」
促すと、彼は意を決したように顔を上げた。仄かな薄闇になじんだ目が、真剣なまなざしを捉える。
「おまえが、好きだ」
「……………………………………………………は?」
たっぷり5分間は、とはいえ現状その認識は当てにはならないが、時間を置いた挙句、僕の口から出たのはその間抜けな一言だった。脳が言葉の咀嚼を拒否している。
「何があるかわからないからな、一応言っておきたかっただけだ」
顔が熱い。何も考えられなかった。体を支える腕ががくがくしている。せっかく貼り付けた笑顔が瞬時に外れた。
「そ…うです…か…それは、どうも」
やっと口をついたのは、ひどく掠れて耳障りな上、不明瞭かつどうでもいい言葉だった。
彼の掌が肩に触れ、そのままゆるく押される。震えていた腕ではその負荷に耐えきれず、そのまま崩れた。
眼前に、天井を背景にした彼の顔がアップになる。どんどん近付いてくる状況を、どこか他人事のように感じる自分がいた。
「おまえも、俺のこと好きだろ?」
唇が触れるか触れないかのところで囁かれ、口付けられて…

がりっ

「ってぇ!何すんだよ!?」
「あなたは誰ですか」
我ながら、こうまで冷たい声を出せるものかと驚いた。濡れた唇に血の味を感じながら、微笑んでみせる。
「誰…って…」
「危うく騙されるところでしたよ。しかしあなたはミスを犯しました」
昏い怒りが湧き上がる。彼の姿をした何かに。流されかけた自分にも。
「僕は彼に好きだと告げたことはありません。これからもそのつもりはありません」
肩をすくめて、なぜかどこか悲しげな表情の何かを見据える。
「彼が気が付くはずはありません。いえ、ありえないと言ったほうが正しいでしょうか」
僕の心の機微に気付いてくれるような人なら、もう少し僕の仕事は楽なはずだ。正直に言ってあの人の鈍感さと来たら目も当てられない。手の施しようがない。
常につれないそぶりを見せながら、信用していないと口ではいいながら、全幅の信頼を寄せてくるような人に心を奪われた僕は、まったく不運としか言いようがない。
「俺を…拒むのか?」
悲痛な表情でおずおずと言葉を紡ぐ様子に、何の感慨も覚えなかった。
「あなたはあの人ではありません。いったい何が目的なのか、お伺いしましょう」
「……古泉」
その声は切なげで、苦しそうだった。俯いた顔には悲哀の色合いが強い。そして。
「!」
彼はベッドから滑るように、走ってドアへ向かった。部屋を出る瞬間こちらを向いた顔はどこか毅然とした表情で、一瞬虚をつかれる。その隙にさっと廊下に出て行く。意外なほど大きな音を立ててドアが閉まった。そういえば、自分は鍵をかけていた。合鍵がないのだから本来部屋に入ることはできなかったはずだ。
「逃がしません!」
とにかく捕まえないと話にならないと判断し、ドアに駆け寄って扉を開いた。
バン。想定よりだいぶ大きな音が響き、咄嗟に周りを見渡す。と…SOS団の全員が廊下に集結していた。他の人影は見えない。
…逃したか。
聞こえない程度にかすかに舌打ちしつつ、現状把握に努める。これはどうやら、全員似たような状況に合ったと考えるべきか。
「これはこれは…」
彼に視線を向けると、心底不満そうな表情をされた。思わず苦笑する。普段のあなたはそうでなくては。

さて、では考察に入りますか、ね。








あーなんかもーなんかもー
もーいーや!

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