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煙草は二十歳に…

ナナメさん好きだー(何
おたんじょうびおめでとうございます

会部 甘め




「煙草は二十歳になるまでだ……って、言ってなかったっけ?」



 俺より数日早くに誕生日を迎えていたそいつが、くすくす笑いながら言う。

「うるさい」
「しょうがないなあ」

 いつになく楽しげな調子で、奴は手にしたグラスをぐいぐいあけていた。
 誕生日なのに祝ってくれる相手もいないんじゃ可哀想だから僕が祝ってあげよう、なんていう非常に失礼な物言いに、着いてきてしまったのが運の尽きだ。自分だって誕生日を一緒に祝う相手は俺くらいしかいなかったくせに、随分な言い様だと心底思う。
 だが、結局のところ俺の隣にこいつがいるのは必然だ。
 奴はほんのりと目元を赤く染めている。酔っ払っているせいか、ふっと眇めて微笑んだ表情がやけに色艶めいて見えた。

「何か文句があるなら言えってんだよ」

 俺の顔を覗きこむようにじっと見つめてくる視線に、少しばかり居心地の悪さを感じる。煙草を消そうとして思い留まったのは、奴の言葉に左右されたと思われたくないせいだ。実際には左右されっぱなしなのだから、少しくらい虚勢を張らせてくれ。

「別に文句なんてないよ」

 そこまではいつも通り。
 どこか優等生じみた答えはいつだって変わらない。だが今日は、その後が少しだけ違っていた。
 奴はテーブルの上に無造作に置かれていた煙草の箱を手に取ると、ふにゃりと顔を崩した。整っているせいでともすれば冷たく見えそうな顔立ちなのに、浮かべる表情のせいでどこか間抜けて見えるのはいつものことだが、普段の間抜け面ともなんとはなしに違って見えるのは何故だろうか?

「キミが煙草吸ってるところ好きだから、やめないでくれるなら嬉しいかなあ」

 ヘビースモーカーまでいくと、流石に心配になるけどさ。
 そんな風に嘯いてくすくす笑う姿を見れば、当分の間は喫煙を止められそうにない自分に気付いてしまって、そんな自分に辟易するしかなかった。

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