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通販用おまけ

会部 通販用おまけ再録


 風呂から上がった俺の目に飛び込んできたのは、この寒い季節にそぐわないものを口に咥えたままぼけっとしている間抜け面だった。暖房はきついほどだから身体を冷やすことはなさそうだが、シャツにトランクスだけの状態でアイスを食べているそいつだけ、違う季節に切り取られたかのような風情だ。
「……何をしてるんだ?」
「あ、もう上がったんだ」
 つぅっと乳白色のそれに雫が伝い、朱い舌がその雫を舐め取る姿に、背筋がぞくりとした。それを知ってか知らずか、屈託なく奴が笑う。
「キミも食べる? おいしいよ」
 無邪気な笑顔がひどく蠱惑的に見えて、差し出されたそれを手に取れば、意外そうに少しだけ目が見開かれた。アイスはそのまま、サイドテーブルに置かれていたグラスへと突っ込む。
「あああっ、何するんだよ!」
「うるさい」
 言い募る唇を塞いで、やたらと細い手首を引っ掴んで押し倒した。フローリングの床に背中を打ち付けて眉を顰める姿が、さっきまで見せていた痴態に重なる。
「だから、何してるんだ!」
 きりりと柳眉を吊り上げて怒っていても、目元が微かに赤く染まっているんじゃあまり意味を為さない。むしろ誘っているようにしか思えなかった。
「勉強しにきたんじゃなかったのかい?」
「煽ったのはお前だろ」
「あお……っ」
 かああっと見る見るうちに赤くなっていく頬に軽くキスすると、そいつはぎゅっと目を瞑った。そのまま口付けようとしたが、不満げな声に阻まれる。
「煽ったりなんかしてないっ、言い掛かりだ!」
 ぶつぶつ不機嫌そうに言葉を紡ぐくせに、こいつのことを押さえつけている手が押し戻されることはない。諦めているのか、それとも別に理由があるのか、どちらにせよ俺にとって都合がいいことは確かで。
 こいつが俺のことを拒まないのは何故か、考えるのはとっくにやめている。最初の頃には間違いなくあったはずの抵抗は、回を重ねるごとに徐々に薄れていき、やがて全てを諦めたかのようにこいつは俺に身を預けてくるようになった。
快楽に溺れているなら縛り付けてやろう。俺に同情しているのならそれでも構わない。離れられなくするためだったら、何だって使ってやるさ。
「……っふ、アイス、溶ける」
「後で買ってやる」
「そういう問題じゃ……っ」
「黙れ」
 短く切り捨てれば、ひどく傷ついたように瞳が揺れた。そのくせやはり抵抗はなく、腕の中に留まったままで……イライラする。

 お前なんか、さっさと俺のもんになればいいんだ。

 溜息をつきかけて慌てて押し殺し、代わりに深く口付けた。

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